2015年4月14日火曜日

顔彩と水彩

僕がスケッチなどで使う絵具たち。


いろんな所へ持ち運ぶときは手前の水彩絵具(ウィンザー&ニュートン)で描きますが、アトリエではこのように顔彩(吉祥)も一緒に使ってしまいます。たまにデザイナーズ・カラー(ニッカー)やアクリル絵具(ゴールデン)も使います。


絵を習った方がみると、なんて事を! と思うかもしれません。何故かというと、全く違う絵具の種類で描いているからです。



絵具の種類について簡単にご説明しますと、


水彩は、アラビアガムという樹脂を接着剤として顔料と一緒に練り込まれた絵具で、西洋で生まれたものです。
一方、顔彩は日本画のもので、膠(にかわ)が接着剤として練り込まれています。

というわけで絵具自体「顔料(色の粉)+接着剤」が絵具なのです。大きく分ければ絵具の種類とは中に練り込まれている接着剤の違いだけです。

それぞれの接着剤をあげますと、「油絵具」は亜麻仁油などの乾性油、「岩絵具・顔彩・墨」は膠、「アクリル絵具」はアクリル樹脂、ちなみに「ペンキ」はアルキド樹脂などの合成樹脂が練り込まれています。

顔料に、その土地土地で採れる鉱石や染料などの違いがありますが、現在は化学が進歩して、良質な化学顔料が生み出され、それぞれの絵具に使われているため、絵具の種類間でそんなに差がなくなってきているように感じます。(大きく分けてですが)

絵具の違いお分かりになったでしょうか。



僕は、スケッチのときは、顔彩にしかない色、水彩にしかない色など、それぞれにしかない色もあるし、どちらかというと感覚で使っちゃうため皆さんにこの使い方は、あまりおすすめしません。

しかし絵具の種類を特定するのではなくて、それぞれの持つ性質を利用し使い分けた方が面白いと思うんです。

<補足:絵具の違いによる予期せぬ化学反応など起こる場合があるので、その辺は熟知しておく必要があります。>





深堀隆介
Riusuke Fukahori














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