2015年5月25日月曜日

アーティストもニートから


「今の若者は無難な道を行く人が多い。」とか、「社長になるより部長になりたがる。」とかよく聞くけど、僕は、そんな事ないように思う。

僕らの世代より独立心が強くて、しっかりビジョンを持っている人も多いように思う。


僕が学生だったころネットこそなかったが、将来何になったらいいか迷っていた人も多かったし、バブルがはじけて間もない頃だったから、まだバブル時代の常識が残っていて、就職できない学生はカスのように見られた時代でもあった。


だから就職できないなら、いっそ自分で切り開こうという「開き直りタイプ」が出現してきたように思う。ちょうど今の四十才前後ね。


このころに、引きこもりニート(この言葉もまだなかったが)が増えだしたと思う。

就職できず自信もないなら、いっそ親に食べさせてもらおう、みたいな子供じみた大人が増えたんじゃないかな。

打たれ弱い若者が増えて来たのもあるだろう。




僕は26歳で職を辞めて、作家活動を始めたんだけど、最初社会人からフリーターになったのが正直ストレスだった。

でも、考えてみれば自分の意識の問題で、フリーターという意識で生活するのではなくて、独立してアーティストとして活動していくんだ!という修行中の意識に変えることを覚えたら、自ずと楽になった。


そこで僕は、社会人の時と同じように税務署にいった。別に儲けもなかったし、行かなければそのまま何も払わなかったと思う。でも自分を変えるために行った。(ただ、前年に年収が400万位はあった人間が、突然年収4、50万になればビックリされるし、申告書に△マイナスが付くと受付の女性に笑われたことも)


就職して覚えたことに、納税がある。国保や年金も。

それまで会社がしてくれていた確定申告を自分で出しに税務署や区役所に出入りするようになった。最初はよくわからなくて汗だくだったけど勇気もついたし、アートを作っているけど社会の中でやっている感覚が芽生えた。


アートで食っていく中でも、これが結構大切な事だと思う。




画家志望だった同級生などは、ここらへんが抜けていて、自由に生きていくことに美学を感じすぎで、「税金などは一切払わん!」ということを僕に言っていた。

僕は心の中で(あなたが馬鹿にしていたサラリーマンたちが働いて納めた税金のおかげで、あなたも公共の場で沢山の恩恵を受けているんだぞ)と思った。


自由ってかっこいいかもしれないけど、無責任なのはいけない。



アーティストの世界は不安定な世界だけど、不安定だからこそ、いい作品を作ろうと努力するわけだし、好きな事でおまんま食べる訳だから、人より辛い思いをするのは当たり前だと思う。


いくら「自由に」「好きな事だけ」と言ったって、その裏側には、その分努力しなければならない事もあるし、代償もあることを知ってほしい。その上での自由なんだ。


 

僕は、アーティストになるのに最初は、ニートでもフリーターでもいいと思っている。決まりもないし、セオリーもない。

まして、画塾や、芸術大学なども行かなくてもいいと思う。

大事なのは決意である。


将来を考えて、スネをかじるのもいいと思う。その時期にいろいろ知識を養っておくのはいい作戦でもある。

独立した時を見据えて努力すれば、必ず実を結ぶだろう。






深堀隆介
Riusuke Fukahori
















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