一瞬この子の尾が動いたように見えので、すかさずカメラで撮った。
最近、また持病のように作品作りで深く思い悩んでしまっていたが
この金魚が「行け」とささやいたように聞こえた。
心が救われたような気がした。
15年前、横浜に移り住み制作活動を始めた頃、連日の作品作りで体はヘトヘトに疲れ、心はこのままやっていけるかという不安やストレスに押しつぶされそうになったことがあった。
力が抜けて膝からガクッと崩れ落ちた時、脳裏に「このまま行け」という声が聞こえた。
力が不思議と湧いてきて、また制作を続行することができた。
その時のことを思い出していた。
※制作中の作品の枡は、明治〜昭和初期と思われる古い一升枡。
表に「名古屋」の刻字がある。
深堀隆介
Riusuke Fukahori