「草風ノ門(Soufu no Mon)」
これについて少しだけお話します。
まずこの八角鉢は何かといいますと、実は 第十三代酒井田柿衛門(明治~昭和)の物になります。
この鉢だけで、かなりの価値があり、鉢だけで40万円くらいはすると思います。 この作品はたくさんの方々のご協力のもと制作することができました。
なのでそれに描けるだけでも光栄なことなんですが、いざここに樹脂を入れて作るとなると、なかなか緊張するもので、一向に制作が進まなかったのを思い出します。
ある日、この鉢を眺めていたとき、文様の中に4つの門があることに気がつき、その門から見える景色に目がとまりました。
その門の向こうの景色に「風」を感じたんです。
静寂すら感じる文様に囲まれているからこそなのか、門の向こう側の世界にビュービューと音が鳴るくらい風が吹いているように感じられたんです。
そこで、僕は、その門のそれぞれ生えている植物(松、竹、梅、蘭)から、風によって葉っぱや花びらが吹き込んできたように、葉っぱなどを描いたんです。
そう思ってこの作品を見てもらうと、一層楽しいと思います。
では、赤い蘭の花の花びらは無いの?と思うかもしれません。
実は、よく見ると蘭の葉っぱからてんとう虫が飛び立っている様子がみてとられると思います。
実際の水の世界ではありえないのですが、「絵の世界」「陸の世界」「水の世界」が一体となった境界のない不思議な世界が存在する作品なのです。
なお、この作品は、非常に取り扱いに注意が必要なため、今後なかなかお見せできる作品ではありませんので、この機会に是非ご覧下さい。
深堀隆介
Riusuke Fukahori
今日は横須賀美術館まで行ってまいりました。
返信削除久しぶりの美術館で、広い空間に贅沢に飾られる作品の心踊らされることといったら!
金魚ちゃん達に会えて嬉しかったのと、もうガラス越しにしか見れないのかと寂しく思ったり…
草風ノ門、素晴らしかった
方舟、ひっそりと存在感を放ってました
あとケロリンは可愛い(笑)
帰りは横須賀の駅前でお祭りがあり、ついつい金魚すくいにじっと見入ってしまいました。
素敵な時間をありがとうございました。
美々さん
返信削除ご覧いただきありがとうございました。 喜んでいただけて僕も嬉しいです。
草風ノ門も解説した甲斐がありました。解説をみていかれると絶対に見え方が違いますし。
僕も金魚の美しさに気がついたころ、近くの祭りの金魚掬いがめっちゃくちゃアートにみえたんです。その時の情景をいまだに追い求めて作っています。