2015年9月2日水曜日

東京オリンピック・エンブレムの騒動から

佐野研二郎氏のオリンピックマークが白紙になってしまったのは、どっちにしろ後味の悪い結果になり残念なことだと感じました。

ただ、僕は「L」型のマークを最初にみたときに少しデザイン的にモヤッとした印象を感じたんだけど、今回新聞で原案があった事を知り、やっと理解できました。

僕個人としては「To」のような原案のデザインはとても好きです。

デザイン的にも曇りを感じない。しかし、商標の審査の段階で変更するよう要請されて、あの「L」のようなマークになったと知り、納得しました。それが曇りの原因でした。



漫画家の江口寿史さんが、佐野氏の仕事場を「個性の無い仕事場」と切り捨てていましたが、僕はデザイナーというのは、個性を殺すのが仕事だとも思います。


デザインというのは「広く一般」が対象になるので、個性というより、時代の流れをつかむ事会社の利益生産性などが重要になると思います。


(ちなみにデザイン分野で「いいねこれ!」と言われるものには必ず生産性が含まれています。アートとは違うところ)


個性は2%くらいでいいと言う方もいます。

いかに個性を殺して新しいデザインを生むか・・・それがデザイナーの技量でもあるかと思います。


前衛芸術ではないのです。そういった意味では、漫画はすでに前衛芸術の領域なのかもしれません。



深堀隆介
Riusuke Fukahori






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